屋上

▼過去ログ2359
2020/8/1 0:56

★佐江嶋 千歳
(友人と笑い合っているうちに涙もすっかり引いて、改めて手に取って贈り物を見られると気恥ずかしいものがあり、耳を赤くして苦笑い気味に裏話を明かしてみて。開封の許可を得たなら自分も紙袋の中から不織布の袋を取り出して中身を開けるとブレスレットを大切そうに手に取り、眺め入る表情はまるで宝物を見付けた子供のように嬉々としていて、早速とばかりに左手首に着けて誇らしげに友人に見せてみて。それから今日、両耳に着けてきた友人に貰った王冠のピアスに大切そうに指先で触れては満面の笑みを浮かべ。暫くそうしていたが唐突に「あっ」と素っ頓狂な声を上げて、言い難そうに尋ねたのは友人の恋人についてで友人を不安げに見詰め)…めっちゃ不器用だし。…ここだけの話、それ作るのに丸1日掛かった。…お洒落なブレスレット。大切にする。このピアスもブレスレットも。…そういや、彼氏とは遠恋になんの?


★妹尾 唯人
(初めて口にしたその夢は一握りの人間しか実現出来ないものだと理解していて照れ臭そうに笑いながら軽く鼻を啜ると手の甲で涙を拭ってから溶けかけたアイスを急いで食べきって)千歳に教えちゃったし、出られなかったら恥ずかしいから超頑張るよ。俺だって千歳のこと絶対忘れない。(問い掛けに頷けば自分も受け取った紙袋の中を覗きミサンガが入った袋を持ち上げて透明な袋越しに見える中身をまじまじと見て)うん、開けて開けて。俺も……千歳って器用だしセンス良いよね。ありがとう。大事にする。…俺のはブレスレットだけなんだけど、千歳のファッションに加えてもらえたらと思って。


★佐江嶋 千歳
(頬を伝ったままの涙を漸く指先で拭うと溶けたアイスがポタリと地面に落ちて。それも気にせず、友人から初めて明かされる夢の話に茶々を入れることなく至って真面目に耳を傾けて。最初は壮大な夢に目を見張るも友人なら大丈夫という自信と安心感が胸にじんわり広がって直ぐに表情は綻んで)…夢がデカいな。でも、唯人なら絶対に叶えられる。世界中のどこにいても唯人のことは忘れないから…自慢も沢山する。妹尾唯人は一番の親友だって。自慢しまくる(クサい台詞の数々を吐いてしまった照れ臭さを誤魔化すように溶けたアイスを食べ切ってまた笑って、差し出された紙袋を受け取ると嬉しそうに中を覗き込み)ありがとう。…開けていい?……俺のは、開けたらわかると思うけどミサンガとスポーツ用のネックレス。ミサンガは家族に教わって編んだんだ。赤とオレンジの糸のミサンガは勝負運を上げるんだって。利き足に着けると尚良し、らしい。これ着けて沢山跳んで頂点目指して頑張れ。


★妹尾 唯人
(友人が必死に涙を堪える姿に既に泣きそうだった涙腺がどんどん緩んで瞼を伏せるように視線を落とすも差し出された紙袋に顔を上げれば下手くそでも暖かい笑顔と共に伝う涙が瞳に映り、瞬きをした瞬間に同じく双眸からポロッと雫が落ちて)…………ん、………ありがとう…………頑張る。まだ、誰にも言ってないけど…オリンピック目指したくて。だから、テレビとか新聞に出たらこいつ俺の親友だよって…自慢して?(零れた涙を拭かないまま相手からのプレゼントを受け取り秘めた声色で自己の目標を言葉にしては言葉通り交換するように持参した小さな黒い紙袋を差し出して)俺からもプレゼントあるんだ。良ければ貰って。


【光沢のある小さな黒い紙袋:茶色の不織布が黒いテープで留めてある。
中身は焦げ茶イタリアンレザーの三つ編みブレスレット。細身な為主張は少なくシンプルなもの。】


★佐江嶋 千歳
(アイスを一口、更に一口ゆっくり食べて相手の言葉を待った後に聞いたのは謝罪の言葉。友人を謝らせてしまったことに自分を叱咤するように片方の空いた手を強く握り締めて緩く首を振り。そして次に視界に映ったのは泣き出しそうな友人の表情。男なのに情けなくも自分の目にも涙が浮かび、涙腺が弱い自分は涙を溢すまいと必死に瞬きを我慢して若干声を震わせて言葉を続け、そして忘れないうちにと傍らに置いてあった白い紙袋を差し出して己なりの激励を送り、くしゃりと有りっ丈の笑顔を向けた瞬間に一筋の涙が頬を伝い落ちて)…謝らせてごめん。…そっか、強豪校に行くんだな。なら応援しない訳にはいかないな。じゃあ、妹尾選手のファンの一人として、これプレゼント。ファン第一号は唯人の恋人だろうから、俺は第二号になりたい。立派な高跳び選手になれよ。ずっと、ずっと唯人のこと応援してるから。

【紐が黒色のコート紙で出来た白い紙袋の中身:
・小さい水色のリボンが付いた手のひらサイズの透明袋の中に赤、白、オレンジの糸で編まれたミサンガ。
更にもう一つ、白い箱には白とネイビーのストライプ柄のリボンが十字掛けで結ばれており、その中にはチャーム付きの黒い磁気入りスポーツネックレス。幸運のお守りと呼ばれているラピスラズリの石が埋め込まれたミニサイズのシルバーの王冠チャームは取り外し可能。】


★妹尾 唯人
(転校を決意してからある程度の時が立 経っており自分の中で色々と折り合いはつけているものの寂しい気持ちは勿論あり、アイスの包装を開けていては隣から聞こえてきたのは寂しさを含んだ一言で。ゆっくりとした動作で顔を向ければ眉尻を下げて今にも泣きそうに微笑んで)……、ん…ごめん、…しちゃう。やる、っていうか…実は部活が理由で転校するんだ。今更だけど、強いとこに。


★佐江嶋 千歳
(友人が選んだのを確認したなら自分もバナナとバニラのアイスだけを取り出してビニール袋は傍らに置き、アイスを包装袋から取り出して齧り付こうとするも先程友人の口から出た何気ない一言につい動きは止まり、ポーカーフェイスが苦手なこともあってか明らかに寂しさを滲ませた面持ちで眉尻を下げて友人の顔を見てしまって。友人を困らせることはわかっていながらも自分の中では寂しいという感情ばかりが先行して口から出てしまったのは引き留めるような言葉。だが直ぐにハッと我に返ると何でもないと首を振って平然を装い、友人の部活動について明るい声で触れては一口アイスに齧りつき)…バタバタ、か。…この学校にいるの今日が最後だもんな。……唯人、本当に転校しちゃうの…?…なんてな。聞かなかったことにして。新しい学校でも陸上続けるんだろ?



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