音楽室
▼過去ログ222
2008/6/8 1:34
★萩野 硝子
(そろりとゆっくりとした手つきで相手の背骨を伝うように上下に触れていた右手を取られれば重たくなった視線を上げ、胸に手を抱き込まれるに習い更に一歩前に出て。真っ直ぐこちらを見る様子に胸に詰まるような何かを覚え、時折途切れ途切れの言葉と優しさに耐えきれず頭を下に)葉月、本当にありがとう。ありがとうな……。(深々と頭を下げ脳裏に焼き付き浮かぶ人の背中を思い起こし唇を引き締め、流れた前髪を手荒くらい横に流し。不意に時間が気になり壁に掛けられた正確な地獄を見、控えめに問い掛けて)……帰るか?
6/8 1:34
★葉月 奏
(自分よりも遥かに悲しみを知っている手に優しく背を撫で摩られると、その手を取るべき相手がここに居ない事に寂しさを募らせ。儚い笑みを浮かばせる表情の下で形には表れなくとも深い痛みを抱えているだろう言葉を聞く内、せめてもの慰めにフルートから片手を外し。背中に触れた手を半身捻って自分の手に取り暖めるように握ると胸元に引き寄せ)
うん…俺にも…覚えがあるよ、萩野先生。胸を抉られたみたいに痛くて苦しくて…息が出来ないくらいやのに、言葉も涙も出て来ぇへんよね。…それでええんですよ、悲しいって涙だけが悲しみやないから(ゆっくりと相手の台詞を噛み締めるように頷きながら同意示し。僅かでも悲しいと言葉に出来た相手の思いを胸に抱き眉尻下げたままの情けない笑みで顔を上げると真直ぐに見詰め返し)
俺も皆も、先生の事、慕ってるから見守ってます。ずっと。……ゆっくり癒してって下さいね。
6/8 1:13
★萩野 硝子
(譜面台を回り込み相手の左手側に近寄れば手を恐る恐る腕を伸ばし背中をさすって脆く哀しげな笑顔を湛える横顔を眺め。彼の温かい諭すような気遣いの言葉乾いた己の頬を指先で辿り、困り果てたような戸惑うようなものを滲ませた淡い笑みを表情に浮かび上がらせゆるゆると首を左右に振り主語の欠けた台詞を口にして)……思い出して悲しいんだ、どうしようもなく。確かに悲しいのに、涙が一滴も出て来ないんだよ。一度も。
6/8 0:58
★葉月 奏
(細く息を吐いて呼吸を整え、構えを下ろした愛器を胸に抱くと自分の事を心配する相手にゆっくりと頷き返し。ぎゅっと銀管握り締めたまま切ない願いにも似た面持ちで微かな笑みを見せ)
俺は、大丈夫。聴いて欲しい人に届けば良いなって思うて…吹けたから。――先生こそ、無理したらあきませんえ?…俺、この曲に悲しい時も、嬉しい時も、あるがまま感じて良いんだよって言うて貰えてるみたいに慰められたから。
6/8 0:44
★萩野 硝子
(どうやら乗ってきたらしい様子に眉を上げ見詰めた後に背もたれに体重を預け、拍に合わせて指をとんとんと手の中で突き旋律と共に胸の中を流れる感情を押さえ込みただ聴く事だけに集中させて。1部を変形させ哀を浸し滲ませた麗音に差し掛かる直前、微かな水音に自然と手元へと向けていた顔を上げると涙を浮かべる相手に目を見張り。鮮やかで柔らかな終わりに数拍遅れてゆっくりとまばらに拍手をしていたも相手の潤んだ瞳を見て再度確認すれば腰を浮かし立ち上がり、数歩前に出て顔を覗き込み消え入りそうな声で)……葉月、平気か?
6/8 0:36
★葉月 奏
(蛍光灯の明かりを反射して鋭い銀に輝くキィの上、滑らかに指を躍らせて旋律をなぞり。何度となく演奏した曲は目を閉じても脳裏に楽譜が浮かび、記号やメモで埋め尽くした楽譜を見ずとも指が動き。冒頭の物悲しいメロディから緩やかでやや明るい中盤の旋律をなぞり、級友との暖かな思い出を振り返っては胸に込み上げる寂しさに微かに伏せた睫毛を揺らし)
――っ…(一瞬、息継ぎの合間に小さく鼻を啜ると、再び佳境の切ないメロディへと向かいながら目を伏せたまま優しく情感豊かに余韻残してフェードアウトさせ)
6/8 0:16
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