1 流され者
人間交差点
名古屋に住んでた
こういう男の話をしよう
名前は 松尾タカヒロ
親は彼をそう名付けたが
本人は その名を使わず
松ちゃん
という名で通してた
彼の故郷で そう名乗る奴はいない
だがタカヒロは そういうヘンな奴だった
こういう男の話をしよう
名前は 松尾タカヒロ
親は彼をそう名付けたが
本人は その名を使わず
松ちゃん
という名で通してた
彼の故郷で そう名乗る奴はいない
だがタカヒロは そういうヘンな奴だった
(EZ)
2 流され者
住んでる町もヘンだったから
俺にはその町が面白く思えたのだ
戸田の駅から降りて
歩いて数分の距離に
よどんだ川が見える
その川を渡るコンクリートで出来た橋から
川を見下ろすと
誰かが放流した錦鯉や
岩の上で日光浴をしてる亀が
人間の気配で次々と
川の中へ逃げて行く
俺にはその町が面白く思えたのだ
戸田の駅から降りて
歩いて数分の距離に
よどんだ川が見える
その川を渡るコンクリートで出来た橋から
川を見下ろすと
誰かが放流した錦鯉や
岩の上で日光浴をしてる亀が
人間の気配で次々と
川の中へ逃げて行く
(EZ)
3 流され者
その近くには酒屋があり
そのはす向かいにある
会社の従業員だったタカヒロと知り合ったのは
俺が未だ中学生だった頃の話
むろん俺は名古屋の人間では無い
だが 名古屋には行った
だからこの話ができる
そのはす向かいにある
会社の従業員だったタカヒロと知り合ったのは
俺が未だ中学生だった頃の話
むろん俺は名古屋の人間では無い
だが 名古屋には行った
だからこの話ができる
(EZ)
4 流され者
世の中どこへ行ってもたまげることは尽きない
言葉遣いや当たり前と思ってた常識すら
簡単に打ち砕かれてしまう
この世に生を受けて
十年そこらの
俺が思ってた大人像も
松尾タカヒロとの出会いによって
あっさり打ち砕かれてしまった。
言葉遣いや当たり前と思ってた常識すら
簡単に打ち砕かれてしまう
この世に生を受けて
十年そこらの
俺が思ってた大人像も
松尾タカヒロとの出会いによって
あっさり打ち砕かれてしまった。
(EZ)
5 流され者
さて 話の発端は
'90年代の初め
イラクのサダム・フセインと モメてた時だ
なぜ それを 持ち出すかと言うと
それぞれの時代には英雄が…いや
松尾タカヒロは決して英雄じゃない
各時代には必ず
その時と場所に
ピッタリ はまる奴が存在する
'90年代の初め
イラクのサダム・フセインと モメてた時だ
なぜ それを 持ち出すかと言うと
それぞれの時代には英雄が…いや
松尾タカヒロは決して英雄じゃない
各時代には必ず
その時と場所に
ピッタリ はまる奴が存在する
(EZ)
6 流され者
松尾は まさに それだった
馬鹿な善人
彼はそんな人物だった
今でも彼以上の
馬鹿な善人はいない…
…ってことは世界でも
一,二を争う馬鹿な善人
だが そういう男でも
そういう男であっても…
物語はある
馬鹿な善人
彼はそんな人物だった
今でも彼以上の
馬鹿な善人はいない…
…ってことは世界でも
一,二を争う馬鹿な善人
だが そういう男でも
そういう男であっても…
物語はある
(EZ)
7 流され者
当時厨房だった俺は
狭い世界ながらも
自由奔放に
遊び明け暮れていた
そんな時
ふとしたきっかけで
知り合い意気投合したのが"智"だった
智は土建屋の一人息子
社交的な奴で
良く奴の家で集まり馬鹿騒ぎをしていた。
狭い世界ながらも
自由奔放に
遊び明け暮れていた
そんな時
ふとしたきっかけで
知り合い意気投合したのが"智"だった
智は土建屋の一人息子
社交的な奴で
良く奴の家で集まり馬鹿騒ぎをしていた。
(EZ)
8 流され者
その流れで
事務所にも頻繁に出入りするようになった
当然厨房なので
厨房らしい趣味もあり
月の小遣いでは全然足りない
そんな時は
アルバイトを世話して貰ったり
麻雀を囲んだり飲みに連れて行ってもらったりと
未成年の俺には
一足早い
数々の世界を経験させてくれた。
事務所にも頻繁に出入りするようになった
当然厨房なので
厨房らしい趣味もあり
月の小遣いでは全然足りない
そんな時は
アルバイトを世話して貰ったり
麻雀を囲んだり飲みに連れて行ってもらったりと
未成年の俺には
一足早い
数々の世界を経験させてくれた。
(EZ)
9 流され者
その土建屋は
大きく頑丈な門構えで
周囲もブロック塀に囲まれており
閉鎖的な空間になっていた
敷地内は'事務所' '智の家
そして幾つかの建物と
奥には大きな住居があり
その外観は部屋を繋げた
手作りの要塞の様で
近寄り難い雰囲気を醸し出していた。
大きく頑丈な門構えで
周囲もブロック塀に囲まれており
閉鎖的な空間になっていた
敷地内は'事務所' '智の家
そして幾つかの建物と
奥には大きな住居があり
その外観は部屋を繋げた
手作りの要塞の様で
近寄り難い雰囲気を醸し出していた。
(EZ)
10 流され者
夕方になると門が開放され
従業員を乗せたバンが帰ってくる
二階にある智の部屋から
見下ろすと
バンからゾロゾロと
疲労した表情を並べた
従業員達が各々の部屋へ帰って行くのが見える
従業員といっても
鳶職と土木作業員の2種類に別れており
鳶職>土木
といった感じの差別的な
職種格差は
智や社長の態度から
幼い俺が見ても容易に分かった
従業員を乗せたバンが帰ってくる
二階にある智の部屋から
見下ろすと
バンからゾロゾロと
疲労した表情を並べた
従業員達が各々の部屋へ帰って行くのが見える
従業員といっても
鳶職と土木作業員の2種類に別れており
鳶職>土木
といった感じの差別的な
職種格差は
智や社長の態度から
幼い俺が見ても容易に分かった
(EZ)
11 吹雪◆Iice
………(・д・)
(EZ)
12 アーリィ
終わり?
(i)
13 流され者
だが
所詮は従業員
智の前では
『若、お疲れさまです』
等と卑屈に媚びへつらう
姿を見て無性にヘドが出た
ある日
そんな中に1人挙動がおかしな男が居る事に気付いた
角刈りでキョトンとした表情で
腰が引けたダチョウの様にペタペタ歩くその男
聞けば
九州は○○県で生まれた彼は
生まれ付き軽愚で(軽度の発達障害)で
私が初めて出会った時
30歳の彼は
こんな顔で→(・д・)
鼻水をすすっていた
所詮は従業員
智の前では
『若、お疲れさまです』
等と卑屈に媚びへつらう
姿を見て無性にヘドが出た
ある日
そんな中に1人挙動がおかしな男が居る事に気付いた
角刈りでキョトンとした表情で
腰が引けたダチョウの様にペタペタ歩くその男
聞けば
九州は○○県で生まれた彼は
生まれ付き軽愚で(軽度の発達障害)で
私が初めて出会った時
30歳の彼は
こんな顔で→(・д・)
鼻水をすすっていた
(EZ)
14 流され者
俺は そのコミカルな
おっさんに物珍しさと
芸人を目の当たりにした時の様な興味を覚えた
彼の名は松尾
20代の頃に
長崎の造船所で働いていたらしい
その時の事故で
小指と薬指の第二関節を切断してしまい
仕事を辞め その時の労災保険や退職金で暫くブラブラしながら
名古屋に流れ着いたと言う
いわゆるフーテンであった
おっさんに物珍しさと
芸人を目の当たりにした時の様な興味を覚えた
彼の名は松尾
20代の頃に
長崎の造船所で働いていたらしい
その時の事故で
小指と薬指の第二関節を切断してしまい
仕事を辞め その時の労災保険や退職金で暫くブラブラしながら
名古屋に流れ着いたと言う
いわゆるフーテンであった
(EZ)
15 流され者
彼は自分の年齢の半分も満たない俺に対しても
まるで同級生と話すような
歯に衣着せぬ口調で
これまでの経緯を話してくれた
彼の話す九州訛りは
彼のキャラクターを更に
笑いに上乗せするイメージになり
彼を取り巻く皆全て
そんな彼に癒されていた
まるで同級生と話すような
歯に衣着せぬ口調で
これまでの経緯を話してくれた
彼の話す九州訛りは
彼のキャラクターを更に
笑いに上乗せするイメージになり
彼を取り巻く皆全て
そんな彼に癒されていた
(EZ)
16 雑草
たろさんみたいな奴だな
(i)
17 ジキル
クソワロタwwwwww
(i)
18 流され者
もう や〜めた
(EZ)
19 ジキル
(・д・)
(i)
20 ↑
お前のせい
(i)
21 ジキル
(i)
22 吹雪◆Iice
………(・д・)
(EZ)
23 流され者
本当は
良い話はここまでで
こっから先ははドン底に悲しい話になるから止めた
すまん。
次は 面白い話書くよ。
良い話はここまでで
こっから先ははドン底に悲しい話になるから止めた
すまん。
次は 面白い話書くよ。
(EZ)
24 雑草
いいから続けろや
(i)