1 佐藤 珠璃

佐藤 珠璃

珠璃の部屋です。
橙色が基調で、部屋の片隅に大きな本棚が置いてあります。
2 珠璃
[入室]
はー……片付けするのも楽じゃないわね、割と。まったく、始めよう何ていったのは誰よ片付けを。(ぶつぶつと言いながらも手は淀みなく本を並べていく)わたしよ、わたし!言ったのは!はーあ……
3 絹衣
[入室]
(勉強机上の小物を整理しながら、普段通りの淡々とした物言いで)
ぶつくさ言う割にはしっかり手は動いているから問題はないのでは?それに何故わたしが呼ばれてるかに対して、珠璃のなかで議題にあがらないのは私的に極めて遺憾なのですが>珠璃
4 珠璃
絹姉さんはさらっとひどい事言うわ、さらっと。(完全に本を入れおわった棚を眺めてから、じろりと絹衣のほうをにらんでから、ふーとため息を吐き、後にちょっと笑って)じゃあありがとう、そういうわ。今度ケーキおごってあげる>絹衣
5 絹衣
……そういう交換条件は最初に提示しておくべきです(ケーキと聞いて一瞬かたまり目を光らせたが、軽く咳払いをして言い放つ)2ホールは覚悟するのですよ?>珠璃
6 珠璃
だって姉さん、なんだかんだで手伝ってくれるんだもん。無愛想なとこ直したら、恋人の一人や二人できるんじゃないかしらー?(意地悪そうな目をしながらくすりと笑う)>絹衣
7 絹衣
な、ななな、なぜそういう話になるのですか!(あわてたように眉が釣り上がり、目が少しみ開かれる。扉を開け)と、とにかく、これで片付けは終了したのですから、わたしはかえるのです!今度ケーキなのですからね!!(バタンと荒々しく扉を閉めでていく)>珠璃
[退出]
8 珠璃
あー、姉さんはからかいがいがあるわー(絹衣が退出したあともしばらくクスクスと笑っていたが、ベッドのうえにパタリと横になる。本棚の方を向くと小さな声で)本よ、一冊、飛んでこい…(しかし何も起こらない。深く息を吐くと、ベッドに潜り込んで目を瞑った)
[退出]
9 珠璃
[入室]
(扉を開けて、すこし疲れた顔をしている)
ふう、ただいまおかえりっと。なんだかこの一人問答ってすごく虚し…
10 絹衣
だったら二人の対話にして差し上げるのです…(むすっとした顔で部屋のど真ん中に仁王立ちしている)
おかえりなさいです、珠璃>珠璃
11 珠璃&絹衣
珠璃:な、なな、いるのはなぜ、姉さんがここに!

絹衣:ちょっと課題のための参考資料がほしくて珠璃の蔵書を借りにきたのです……ノックしても呼び鈴をならしてもいつまで待ってもドアは開かないし、帰ってもこないではないですか。なので…

珠璃:合鍵を使って入ったっていうのかしら?

絹衣:お察しのとおりなのです……
12 珠璃&絹衣
珠璃:ぷ、プライベートのところに勝手に入る、普通!?いくら姉さんだからって…

絹衣:そのプライベートへの侵犯をわたしに許したから合鍵というものを譲与してくれたのだと解釈しているのですが違いますか?

珠璃:……

絹衣:珠璃、わたしは貴女のご両親から在学中の面倒を仰せ使っているのです。知ってますよね?

珠璃:……

絹衣:いわば、家族なのです。あまり似ていませんが、貴女もわたしのことを姉と呼んでくれているのです。その家族を心配するのは姉として当然の……

珠璃:だったら…!!!

絹衣:…!?
13 珠璃&絹衣
珠璃:だったら何でそんなかたっ苦しいのよ!?家族?家族が敬語で話すものなの!?姉さん…絹衣は昔からそう!そうやって他人を睥睨したような言い方をする!

絹衣:珠璃…

珠璃:絹衣も、絹衣も父さんと同じよ!がっちがちの鉄面皮!堅物!そんなだからこの学園にくる前の学校じゃあ…

絹衣:珠璃ッ!!

珠璃:…………ごめん、なさい……(普段声を荒げない絹衣の声に驚き、ぐっと俯く)わたし、寝るから。姉さんも、こんな時間まで起きてると体に悪いわ…

絹衣:……(しばらくじっと珠璃をみていたが、ベッドに近づくと、布団のなかに入り込む)
14 珠璃&絹衣
珠璃:!?姉さん?何してるのよ!

絹衣:黙るのです、愚妹め(いいながら、ぎゅっと珠璃のからだを抱きしめます)………には…

珠璃:姉さん…?

絹衣:わたしには解るのです。大方魔術の練習に山にでも赴いたのでしょうが。

珠璃:なんでわかって…

絹衣:姉さんにはすべてお見通しなのです…

珠璃:…なにそれ(くすりと笑います)

絹衣:わたしは確かに堅物のようです。うまく表情がつくれません…なるべく、努力はしていますが……丁寧語になるのは、すいません、昔からこうなので、いまさら直すのも気恥ずかしいというか…

珠璃:……ま、そっか…わたしも急に姉さんがタメ口になったら驚くだろうしね(意地悪そうにわらって)今のところは許してあげるわ……

絹衣:はい…♪

珠璃:きょ、今日はこれでねよっと。寒いしね、最近!!

絹衣:そうですね♪

(二人は眠りの世界に入っていきました)

[退室]