岬・展望台
岬の突端に立つこじんまりしたドーム状の建物
1階:海を臨む展望室と喫茶店、2階:小さなプラネタリウム映写室

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★佐江嶋 千歳
休学……。初耳なんだけど。…は?俺?俺は……順調といえば順調のような。最近、反省ばかりしてて…。恋人の想いに胡座を掻いてるような自分が嫌で…。でも不仲な訳じゃない。俺の問題。てか俺のことよりも唯人の方が心配なんだけど……。…俺が口突っ込むコトじゃねぇし、余計なお世話かもしれないけど(友人のジト目に首を緩く振って否定し、次ぐ初めて知る近況には驚きに目を見開いてしまうも話題が変わってしまえば何か言いたげに唇も開くが今は言い出せず、自分のことについては自嘲気味に笑って何処か言い難そうに言葉を紡ぎ。然し、自分の事よりも友人の方が自分にとってはやはり大事で、眉間に皺を刻んで心配そうに見詰め。タルトをまた一口食べた後、カフェラテを息で冷ましてから飲んで身体が芯から温まるのを感じると自然と口許は綻び、差し出しされたケーキには嬉々とした声で返して一口分のケーキを生クリームを絡めてから口内へ運ぶと仄かに広がる紅茶の味わいと生クリームの甘さに舌鼓を打ち、苺タルトが乗った自分の皿も差し出して)いいの?サンキュ。唯人のケーキも美味いな。俺の苺タルトも食っていいよ。

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★妹尾 唯人
ちょっと馬鹿にしたでしょ。んー、うん、部活ばっかりしてる。恋人はちょっと…仲悪くはないけど、休学中。で、千歳はどうなの?順調?(瞳を細めジトリとした視線を向け冗談混じりに言葉を紡ぎ、相手からの問いに頷き答え恋人との関係については努めて冷静にさらりと言葉にして。それよりもと話題を戻すように相手を見ながら投げ掛けてみて。貰った紙袋を大事そうに空いている隣の椅子の上に置けば支払いを任せてくれるらしい様子に胸を撫で下ろし、運ばれてきたケーキと飲み物を見ると途端に胃に隙間が出来た気がして腹を摩りフォークでシフォンケーキと生クリームを掬うと同時に口に入れて、優しい甘みを感じる事が出来ればケーキが乗った皿を少し相手の方へと押して)それじゃあ俺の気が治らないからさぁ……ん、ありがとう。任せて。…いただきます。こっちも美味しい。ひと口いる?

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★佐江嶋 千歳
…へぇ。さすが唯人くん。そういえば唯人は最近はどうなん?部活忙しい?あとは恋人と仲良くやってる?とか。聞くのは野暮か。ノーコメントでもいいよ(確かに不器用な自分とは違って物事を器用に熟しそうな友人。双眸狭めれば感嘆の言葉しか溢れず、自分の話ばかりもあれかと友人の近況についても穏やかな面持ちで触れてみようか。紙袋を嬉しそうに受け取って貰えたことに胸を撫で下ろしては友人からの厚意に最初は躊躇うも言葉に甘えることにして。そんな中、注文した品々が運ばれて来て、それぞれの前にケーキと飲み物が置かれると自分は早速とばかりにフォークを持って、苺がふんだんに乗った苺タルトを一口切っては口内へと運んで咀嚼し、口内に広がる程良い甘さと苺の酸味に頬を緩め)…俺が勝手に渡しただけだからお返しとか求めてねぇし。まぁ、今日はバレンタイン兼ホワイトデーってことで。図々しいけど唯人に奢ってもらおうかな。食おうか。いただきます。…美味い。

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★妹尾 唯人
……そうかな?割とポーカーフェイスで切り抜けられると思ってるよ。(自分の反応については記憶が定かでは無く瞳のみで視線を横に向け考えるような仕草をしながら真面目な表情で返答し、相手からの提案には迷う余地は無くすぐに頷いて)ほんと?うん、いいよ。ぜひ聞いてみて。(そうしている内に何かを思い出した様子の相手が差し出した紙袋に目を丸くし、それを受け取り中を覗き込めば口を半開きにした後徐々に嬉しそうに表情を綻ばせて。喜びも束の間でギブアンドテイクが成り立たない事に気付くと少々慌てた様子で無駄にキョロキョロとするも名案とばかりに会計を任されようと提案して)………え?うそ、いいの?ありがとう、嬉しい。……ていうか、俺なんもない。どうしよ…あ、今日奢ってもいい?

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★佐江嶋 千歳
(花粉に対しては相当嫌なのであろうことが見て取れると同情の苦笑いを唯々浮かべることしか出来ず。笑う友人を目の前にして、自分は恥ずかしさに視線を逸らしてばかりで)ゆ、唯人だって好きな奴の話題になったら照れるだろうが。…確かに凄ぇけど。…わかった。じゃあ、恋人に聞いてみる。俺も気になるし。唯人の名前出してもいい?(たじたじとした反応を顕著にしながらも、やはり気になってしまうのか一度頷けば恋人に確認するための許可を友人から得ようとして。それから視線を何気なく横に流せば持ってきた紙袋の存在に今頃気付き、それを手に取るとテーブル上で照れ臭そうに友人に差し出して)…あと、これ。忘れないうちに。バレンタインに渡す予定だった友チョコ。チョコチップクッキーは姉貴からのお裾分け。

【持ち手が黒い平紐になっている小ぶりな茶色いクラフト紙袋の中身:英字がプリントされた透明のOPP袋の中に一口サイズのチョコチップクッキーが5枚。又、バナナチップスが乗ったバナナマフィンが一つ、小さめのミックスナッツナッツが乗ったチョコブラウニーのカップケーキが二つ。それぞれ個別に蓋付きの透明の円筒ケースに入っており、蓋上には綺麗に結ばれた細めの水色のリボンが付いている。
更に白いメッセージカードが入っていて、丁寧な丸めの文字で「遅くなったけどハッピーバレンタイン。これからもずっと親友でいてくれると嬉しい。千歳」と書かれている。】

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★妹尾 唯人
今年はね。来年もまた合えば良いんだけど。(年毎に飛散量や薬の効き具合が変わる花粉に辟易としながら少し大袈裟にうんざりとした様子を表情に出して。恋愛事を話題に挙げた途端動揺し吃り出した相手に肩を揺らして笑い、注文を相手に任せ運ばれてきたお絞りで手を拭いて)ふ…くく、慌てすぎじゃない?面白いよね、千歳って。…えー、でももしほんとだったらちょっと凄くない?知らずにどっちとも知り合いって。(無理矢理名前を書き出すつもりは毛頭無く想像の範囲を出ないものの何処か楽しげな空気を携え小首を傾げて)

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★佐江嶋 千歳
やったじゃん。このまま厄介な花粉から逃げ切れるよう祈ってるわ(肩肘をテーブルに乗せ頬杖を突いた姿勢で不敵に笑い返しては再び顔を俯けてメニューを眺め。友人が頼んだメニューに興味が惹かれたのか、その項目に視線を移すや否や唐突な話題に面喰らって頬杖を解き、言葉を出すのに少々間が空いてしまうも恋人のこととなると照れが生じて所々吃りながら言葉を返して)…お、それも美味そう。……い、いや!いやいや!付き合ってる人は確かに先輩だけど…。ぐ、偶然だろ。…仮にもしそうだとしたら凄く気恥ずかしい気持ちなんだけど…。親と恋人が知らない間に顔を合わせてたみたいな。…と、とりあえず注文頼むぞ(呼び出しボタンを押して店員を呼んだなら先にお冷とお絞りが置かれるのを待って、動揺が抜けない表情で二人分の注文を頼み、店員が去ると広げていたメニューを閉じて脇に仕舞おうか。その後は動揺した気持ちを幾らかでも落ち着かせようとお冷を一口飲んで、友人の反応を窺うように一瞥し)

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