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11 三_日_月_宗_近(刀_剣)…左様か、如何やら俺の説明不足で食い違いが起きていた様だ。重ね重ね済まないな。端末の仕様で彼方へは出向く事が出来ない、と…成る程、では御主の提案の通り以前話をした所へ場所を変えるとしよう。何れかに先に待機して居る故、此れに気付き次第其方へ移動してくれれば助かる。
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10 一_期_一_振(刀_剣_乱_舞)此方こそ謝罪を。何故か半刻程勘違いをしていたようで。
…そして、如何いう訳か解らんが端末の仕様上其方へお邪魔出来んらしいのです。貴方がこれを見られて直ぐ来られるよう、以前お逢いした場所の何処かへ出向こうと思案致しましたが、何分お待ち頂いておった身です。意見をお聞かせ願いたい。
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9 三_日_月_宗_近(刀_剣)───済まん一_期、任務に思いの外梃子摺ってしまってな…今し方本_丸へ帰還した所だ。…取り急ぎ、約束した刻を過ぎた事への謝罪と、先に縁側へ出向いて御主を待つ、と言う旨を此処に。何か有れば此方へ書き記して呉れれば有り難い。…では、少々一方的になる様で悪いが…亦後程。
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8 一_期_一_振(刀_剣_乱_舞)然し流石にこの身も近頃の茹るような湿気た暑さにはとても敵わず、冷房に任せきりの日々。冷房病とやらにも気を付けねばいけませんな。…健康に留意して頂けたのなら、何より。
厄介事を片す内、当日に縺れ込んでしまい、申し訳無い。本日亥の刻、お逢い出来るときを楽しみにして。
空に浮かぶ月は顔を出したり出さなかったり気紛れな御仁だが、その瞳の三_日_月は何時も変わることなく輝いておられる。勿論その月が移り変わるときが楽しみでも有り。何方も好ましいが、この身にとってより一層と言ってしまえば、貴方の月になりましょう。
自分でもよく解らんのです、この心情が一体全体どのような意味を持つのか。こうして言葉を交わす内に理解出来れば良いんだが。…私も、三_日_月殿のことをより知っていきたい。暴くも、教わるも良し。そうする中で、答えが見えるような気すら生まれてくる。
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7 三_日_月_宗_近(刀_剣)そうか、其れは頼もしいな。開襟一つせず涼しい顔をしている御主を見ると暑さも感じぬ様に思える程だ。…ああ、心配り感謝する。俺も夏ばてせん様、留意せんと如何なあ。
はっは、好い好い。形式張った事は抜きにして月見酒を楽しもうでは無いか。俺も御主に酌をして遣ろう、たんと呑むと良い。…ほう、俺の眼に映る三_日_月で月見を…一_期は中々雅な事を申す物だ。何も目を凝らして探さずとも、仰ぎ見れば見事な月が臨めると言うのに…御主も中々慎み深い性分と見える。
葉月の三日か四日…さすれば四日の夜でも構わぬか。亥の刻を過ぎた頃合で有れば俺も手隙に成る故。時刻含め、再度検討してくれると有り難い。
───そうさなあ、俺にもよく分からんが独占欲…否、支配欲とも呼ぶべきか。…しかし、其方は一見寡欲に思えて貧欲な一面も窺える。物事と同じくして心と言うのも多面的に捉えねばならんと言う事だろうなあ。…ああ、小難しい事を言ったが御主の事をまた一つ知れた様で嬉しく思うておる、と言う話だ。
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6 一_期_一_振(刀_剣_乱_舞)夏ばて…いえ、思い当たる節はありませんが。確かに疲弊し易くなっていると感じるような。…其方も、体調には気を付けて下さい。身体を崩してしまっては、逢瀬も何もありませんから。
…承知しました。何分経験が浅いもので、酌も満足に出来るやら解りかねますが…それでも良ければお供致します。ははっ、それではこうしましょう。夜空に浮かぶ月を見上げる、貴方の瞳の三_日_月で、私に月見とさせて頂きたい。
日取りの件ですが、此方も夕刻以降であれば大抵手空きにはなります。然し、都合の良い日となると…、葉月の三日、又は四日辺り等如何でしょうか。貴方の日程と照らし合わせてご確認下されば。
──ふと、思ったのです。貴方の月の移り行く様を、私以外の者が見るのは…少し、心苦しくあり。然し、これを独占欲と呼ぶのか否かすらこの頭では解らなかった。仰々しい言葉を使いましたが、この感情に特に意味は無いのかもしれません。…三_日_月殿、貴方には解りますか。
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5 三_日_月_宗_近(刀_剣)はは…何、そう固く成らずとも良い。…早寝は良い事では無いか、俺も此の暑さに参って近頃は遅く迄起きている事も減って仕舞ってなあ、如何やら戦よりも体力を消耗する様だ。…御主は如何だ、夏ばて、とやらを起こしたりはして居ないか。
…では、次回は縁側へ出て月見酒と行くか。夜半で有れば他の刀や弟達の目も無い、体面を気にせず羽目を外してみると言うのも悪くは無いだろう。…三つの月、か。其れが贅沢か如何かは分からんが…余り数が多くても、却って悪酔いして仕舞うかも知れんぞ。
───ああ、そうと決まれば次の日取りを決めねば成らんな。俺も先に述べた通り長居は出来んだろうが…日没後で有れば比較的何時でも空いている、と話しておこう。御主は近い内、都合の良い日付等は有るか?
…ははは、普段は物柔らかな其方にも独占欲、等という感情が有ったとは。此れは一つ面白い発見をしたなあ。…否なに、揶揄かっている訳では無い…些と意外だった物でな。俺も酒宴共々、楽しみにしているぞ。…では、亦其の内に。
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4 一_期_一_振(刀_剣_乱_舞)そのお心遣い、感謝申し上げる。最近は弟達の世話に慣れてか、早くに床に就いてしまうことが多くなりましてなあ。貴方とゆるり月見を楽しむことが出来なかったのが唯一の心残りと言えましょう。
…とはいえ、こうして再会叶ったのだからその心残りも必要無い、か。次にそのお姿に見えるときは、其方の仰る通り散歩か月見酒と洒落込みたいもの。
酒は…体裁の手前剰り嗜んだことはありませんが、お相手くらいは出来るかと。何より二つ、…いえ、三つの月を楽しめるとは、とんでもない贅沢のように感ぜられます。
──次は、何時お逢い出来ますか。私は前述の通り、いつ何時であれ長々と居れる確証はございません故、貴方の暇を尊重したく。
はは、それはそれは。移り行く筈の無いものの変化を私だけが見られるというのも、中々独占欲、とやらを駆り立てられる。是非、そのときを楽しみにしたいものですな。
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3 三_日_月_宗_近(刀_剣)…一_期、良くぞ参られた。…否々、俺の方こそ先日は無理をさせた様で済まなかったな。改めて、良き出逢いと、話し相手を引き受けてくれた事に感謝を述べて置こう。
…鍵も俺の持ち得ている物と相違無い。否、疑いこそして居ないが…彼の夜、俺に月を見せて呉れた御仁に間違いない様だ。
…ははは、好い好い。俺は何方でも構わんと申しただろう、御主と言の葉を交わす手段が有れば場所等、其れこそ何処でも良いのだ。
私的に文を認める日が来るとするならば…俺の月が移り変わる日を其の目で確と見届けた時、と云うのも良いかも知れん。
…ああ、此方こそ此れから宜しく頼む。次の回には、御主が好むと申していた月灯りの許での散歩や…月見酒と洒落込むのも楽しそうだ。…酒は行ける口か?
日々、本_丸での役務や弟達の世話等中々に多忙の身と見受けるが、手が空いた時にでもまた俺の話し相手に成って遣ってくれ。…では、一度此れにて。また返事を待たせて貰うとしよう。
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2 一_期_一_振(刀_剣)三_日_月殿。その節は御足労お掛けしました。貴方の優しさに甘え、眠気故直ぐ様退席してしまったことに謝罪を残します。…それから、あの夜出逢えたこと、またこうして縁を紡ぐことに感謝を。
・曇天中の朧月
・移り変わるものと変わらないもの
・急遽行った片付け
私の鍵はこれに。
何度か其方へ足を運ぶことも考えました。然し、…如何せん、人目に付かんところでその月に触れることが憚られましてな。や、疚しい意味ではないのです。もし此処では無く個人的に文を綴るなら、貴方のことをよく知ってからが良い、と。そう考え此処に残した次第。
…ああ、大切なことを忘れていた。これから、どうぞ宜しくお願い致します。それでは、お返事をお待ちして。
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