1 佐藤 珠璃

佐藤 珠璃

珠璃の部屋です。
橙色が基調で、部屋の片隅に大きな本棚が置いてあります。
11 珠璃&絹衣
珠璃:な、なな、いるのはなぜ、姉さんがここに!

絹衣:ちょっと課題のための参考資料がほしくて珠璃の蔵書を借りにきたのです……ノックしても呼び鈴をならしてもいつまで待ってもドアは開かないし、帰ってもこないではないですか。なので…

珠璃:合鍵を使って入ったっていうのかしら?

絹衣:お察しのとおりなのです……
12 珠璃&絹衣
珠璃:ぷ、プライベートのところに勝手に入る、普通!?いくら姉さんだからって…

絹衣:そのプライベートへの侵犯をわたしに許したから合鍵というものを譲与してくれたのだと解釈しているのですが違いますか?

珠璃:……

絹衣:珠璃、わたしは貴女のご両親から在学中の面倒を仰せ使っているのです。知ってますよね?

珠璃:……

絹衣:いわば、家族なのです。あまり似ていませんが、貴女もわたしのことを姉と呼んでくれているのです。その家族を心配するのは姉として当然の……

珠璃:だったら…!!!

絹衣:…!?
13 珠璃&絹衣
珠璃:だったら何でそんなかたっ苦しいのよ!?家族?家族が敬語で話すものなの!?姉さん…絹衣は昔からそう!そうやって他人を睥睨したような言い方をする!

絹衣:珠璃…

珠璃:絹衣も、絹衣も父さんと同じよ!がっちがちの鉄面皮!堅物!そんなだからこの学園にくる前の学校じゃあ…

絹衣:珠璃ッ!!

珠璃:…………ごめん、なさい……(普段声を荒げない絹衣の声に驚き、ぐっと俯く)わたし、寝るから。姉さんも、こんな時間まで起きてると体に悪いわ…

絹衣:……(しばらくじっと珠璃をみていたが、ベッドに近づくと、布団のなかに入り込む)
14 珠璃&絹衣
珠璃:!?姉さん?何してるのよ!

絹衣:黙るのです、愚妹め(いいながら、ぎゅっと珠璃のからだを抱きしめます)………には…

珠璃:姉さん…?

絹衣:わたしには解るのです。大方魔術の練習に山にでも赴いたのでしょうが。

珠璃:なんでわかって…

絹衣:姉さんにはすべてお見通しなのです…

珠璃:…なにそれ(くすりと笑います)

絹衣:わたしは確かに堅物のようです。うまく表情がつくれません…なるべく、努力はしていますが……丁寧語になるのは、すいません、昔からこうなので、いまさら直すのも気恥ずかしいというか…

珠璃:……ま、そっか…わたしも急に姉さんがタメ口になったら驚くだろうしね(意地悪そうにわらって)今のところは許してあげるわ……

絹衣:はい…♪

珠璃:きょ、今日はこれでねよっと。寒いしね、最近!!

絹衣:そうですね♪

(二人は眠りの世界に入っていきました)

[退室]