管理人の独り言

過去ログ148 2012/3/8 23:36

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その33
古代の石像も,近代の巨大な壁面画も
小さな材料で練習はするだろうが
本番は基本的に失敗がきかない.

こうした一発勝負の中においても発揮される
周到に準備され,考え抜かれた「バランス」と「秩序」.
社会秩序の一端を担っていた
教会のお気に入りであったのかもしれない.

お気に入りといえば
ラファエロの間を出てシスティーナ礼拝堂へ向かう
途中には近代美術のゾーンがある.

ここにもゴッホやシャガールの描いた「ピエタ」や
マティスの描いた聖母子画があったりなど
見応えのある何気にすごい画家のコレクションが
飾られていたりする.

>>>>>>

ここまで来ると古代から近代まで
各時代の天才達の生み出した作品が
バチカンという狭い場所に集まっていることに
驚きを感じる.

500年以上の歴史を持つこの美術館が
設立当初から近代に至るまで長きに渡って
絶大な権力と影響力を保ち続けられた証である.

我々エンジニアが
どんなに頑張っても
千年という時間を超えられる
物や考え方は発明できない.

千年通用するものが生み出せるのは
宗教のみである.

日本でも千年の時を超えて残っているものは
土着の宗教の力が宿ったものばかりだ.
3/8(木)23:36

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その33
古代の石像も,近代の巨大な壁面画も
小さな材料で練習はするだろうが
本番は基本的に失敗がきかない.

こうした一発勝負の中においても発揮される
周到に準備され,考え抜かれた「バランス」と「秩序」.
社会秩序の一端を担っていた
教会のお気に入りであったのかもしれない.

お気に入りといえば
ラファエロの間を出てシスティーナ礼拝堂へ向かう
途中には近代美術のゾーンがある.

ここにもゴッホやシャガールの描いた「ピエタ」や
マティスの描いた聖母子画があったりなど
見応えのある何気にすごい画家のコレクションが
飾られていたりする.

>>>>>>

ここまで来ると古代から近代まで
各時代の天才達の生み出した芸術品が
バチカンという狭い場所に集まっていることに
驚きを感じる.

500年以上の歴史を持つこの美術館が
設立当初から近代に至るまで長きに渡って
絶大な権力と影響力を保ち続けられたからこそ
これだけの充実したコレクションが集められたのだろう.

いつの世も数世紀に渡って後世に残るものには
「宗教の力」が宿っている.

日本の施設だってそうだと思う.
千年の時を超えて残るものには
土着の宗教の力が宿ったものばかりだ.
3/8(木)23:26

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その32
〜ラファエロの間〜

「コンスタンティヌス帝の洗礼」「十字架の出現」
「オスティアの戦い」「アテネの学堂」など
ラファエロとその弟子達の書いたフラスコの壁画群がある間である.
中でもプラトン,アリストテレスが中央に書かれた「アテネの学堂」は
誰でも(私でさえ)一度はどこかで見たことのある絵だろう.

どの壁画にもいえることだが
大きな壁画だけあって全体の迫力と躍動感は素晴らしい.
また,これまで飾ってあった古い宗教画とは明らかに雰囲気が違う.

ルネサンスよろしく,絵の人々は裸が多く
非現実的な風景にも関わらず俗世間の生々しさや
リアリティが絵全体からにじみ出ている.

そして驚くべきこれ等の絵が書き直しのやりにくい
フラスコと呼ばれる技法で書かれている点であろう.

小椅子の聖母のような小さな絵であれば
それがいかに完成度が高いものであっても
まだ人間が書けるレベルだと思う.

しかし練習のきかない一発勝負の技法を使って
曲面や柱のある壁に対して
この大きさで均整を保ちバランスを崩さずに
しかも,全世界の人間が何世紀にも渡って崇拝する
この「完成度の高さ」で絵を書くというのは
私の想像できる人間の限界を遥かに超えている.

学問,スポーツに限らずどの分野の人間にも
時代を超えて賞賛される数百年に一人の天才というのは
軽々と凡人が想像できる限界を超えてくるものなのだと
痛感した.
3/8(木)0:57

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その31
〜彫刻 その他〜

男性の彫刻は一物が取れたものが多い.
突起物なのでどこかにぶつけて取れたのか
蛮族の進行による破壊が原因なのか分からないが
見ていて痛々しい.

中には撫でられ過ぎて
明らかに体の一部が
磨り減っている彫刻もある.

博物館内は天井画や彫刻ばかりでなく
足元の床のモザイク画も楽しめる.
床のモザイク画はその劣化を防ぐためかチェーンで仕切られており
聖人をあしらったカラフルなものから,
白黒モノトーンで様々な動物を表現した複雑なものまで
様々な模様がある.

〜タペストリーのギャラリー〜

タペストリーのギャラリーでは
キリストを中心とした聖書のワンシーン(?)を表した
巨大なタペストリーが回廊一面に飾られている.
なぜ絵画ではなくタペストリーにしたのか意図は不明だが
全体的に色あせており,かなりの年代が経過していることが分かる.

当時の製織の技術レベルを考えれば
多くの人を使って,かなりの工数をかけて作成された
高価なものであったことが伺える.
教会の力恐るべし.

〜地図のギャラリー〜

地図のギャラリには16世紀の末頃に作成された
数多くのイタリアの地図の絵が飾られている.
細かく正確に測量されたものというよりは
主要な施設が強調された観光地図に近い趣きの作品が多い.

伊能忠敬が日本地図を作成したのが19世紀の初頭であるから
その200年も前にかなり正確な地図がイタリアで作成されていたことになる.
飛行機が発明されるのは20世紀に入った後なので
当時の人々も歩いてイタリア全土を回り
測量して地図を作成したのだろう.そう考えるとすごい.

地図のギャラリは天井画も凄まじく
細かく丁寧に天使やら何やらの絵がびっしり書き込まれており
ライトアップされた天井は手口まで真っ直ぐ続く光の道に見える.
この風景は圧巻であった.
3/6(火)23:22

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その30
・彫刻ゾーン

しばらく歩くと彫刻が置かれた
噴水のある中庭に出る.
ラオコーンを始めとする有名な彫像が
庭を囲むように並べてある.
ラオコーンは有名な彫刻らしいが
バチカンを出てからガイドブックではじめて知った.

中庭にいるときに目を引いたのは
「チグリス川」と呼ばれる彫刻だった.
ギリシ人風の男が壺を抱いて堂々と寝そべっている彫刻である.
壺の中には猫のような顔が彫り込まれている.

この辺りの彫刻は,どれも発掘された古いもので
部分的には復元されたものらしい.

庭を出てしばらく歩くと
彫刻が両脇にずーっと並べられた回廊に出る.
ここにもきっと私が知らないだけで
有名な彫刻が数多く置かれている.
人型のものに限らず羊や馬のような動物や
蟹や海老といった甲殻類まで様々な彫刻が展示されていた.

全ての彫刻に共通していれることだが
通常では有り得ない筋肉のつき方や
物理的に有り得ない不自然でダイナミックなポージングをしているのだが
均整の取れた絶妙のバランスで全体が成り立っているため
全く自然に,美しく見える.
ある意味,「最高にカッコイイ」ポージングである.
おそらく同じようなモチーフを何度も試作して
ようやく完成した至高の作品が並べられているのだろう.

これ等の作品群はルネッサンス期の芸術家に
大きな影響を与えたそうだが
もしかすると私の身近な漫画家達にも
影響を与えていたのかもしれない・・・.
3/5(月)14:13

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