管理人の独り言

過去ログ149 2012/3/12 23:31

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その37
聖堂の中央を直進していくと
聖ペテロの墓の上に大きな四本の柱に支えられた
ベルニーニ作の天蓋が見える.
これだけで高さは30mあり
その上には更に高いクーポラの内装が見える.

天蓋の近くはクーポラの無数の窓から注ぐ光で
「時間が止まって」みえる.
あまりにも浮世離れしたその空間に
天窓から天使が舞い降りてきそうな錯覚さえ感じる.

正面にはベルニーニ作の聖ペテロの司教座が見え
無数の天使のブロンズ像が見える.
中央に見える鳩は,主なる父の象徴と思われる.

司教座の左手側にはアレクサンデル7世の墓がある.
他にも聖人達や彫刻歴代の教皇の墓が多数あり
いずれも大理石とは思えないような質感で
聖人やら天使が表現されており
途方もない労力と長い年月を経て作られたことを感じる.
あまりにも凄すぎる.

大聖堂内にはモザイクで作られた巨大な壁画も沢山あり
この大きさのものが全てモザイクで作られているとは!
作成者の執念と根気に2人で鑑賞しながら感嘆とした.

日本で生活をしていると
「宗教」というものに触れる機会が少ない.
しかし,ローマでは町の至るところに教会があり
宗教が生活に深く根ざしていることを感じる.

ローマでは普段触れることのない
宗教の持つ力の強さを感じた.
3/12(月)23:31

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その36
〜サン・ピエトロ大聖堂〜

まず入って驚くのはその広さだろう.
床面積2万3,000m²と面積が広いのもそうだが
ミケランジェロが設計したクーポラの天井は高さ136mあり
大聖堂全体の天井も高い.
凄すぎて言葉もでない.

その柱や天井に絵や彫刻の装飾が施されており
多くの芸術家や建築家が関与し
長い年月をかけて建造されたことを考えても
巨大な施設それ自身が一つの芸術品であるように感じる.

入ると,まず目に付くのは
ミケランジェロのピエタだろう.
ミケランジェロは壁画もすごいが
彫刻が本職だけあって流石にすごい.

布や肌の質感や全体のバランス(顔や腕や脚の比率)が
限りなく実際の人間に近いため
彫刻は石像にされてしまったリアルな人間のように見える.
この彫刻を2年かけて大理石の一枚岩から作ったのが
25歳のときというから驚きである.

1972年に発狂した人間により叩き壊された経緯もあり
ピエタは今は防弾ガラスで区切られた
特別な展示スペースで保管されている.
時代を経た割りに彫刻自体は新しく見えるのは
このときの破壊の修復作業の影響かもしれない.

一帯は壮麗で厳粛な空間となっており
後ろの窓からよい感じに後光が差していたため
聖母のありがたみを感じた・・・.
3/11(日)11:42

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その35
バチカン美術館を出た後は
正面のアイスクリーム屋で
アイスクリームのダブルを買って食べた.

5ユーロのダブルを頼んだつもりだったが
何を勘違いしたのかアイスクリーム屋のオヤジは
ダブルサイズのダブルをデラ盛りで持ってきて10ユーロ支払った.
こちらの注文方法が悪かったようだ.

サン・ピエトロ大聖堂に向かう道中
アイスが多すぎて食べきれるか心配していたが
実にフルーティーな味でサン・ピエトロまで歩く間に
あっさりと食べきってしまった
(実際にイチゴをすり潰して入れているようだった)
値段は高かったが美味しかったのでヨシとしよう.

サン・ピエトロ大聖堂はカトリック教会の総本山であり
世界最大の教会である.
床面積2万3,000m²の巨大な施設でキリストの弟子達の
リーダーである聖人ペトロの墓の上に建てられている.
(後の発掘調査ではペトロと思しき人物の遺骨も発見されている)

キリストや聖母の亡骸が地上に存在しないことを考えると
(天に「昇った」とされているため遺骸は存在しないとされている)
聖人ペトロの遺骸はキリスト教徒にとっては
尊崇の対象となる最も高貴な聖遺物といったところだろうか.

カラフルな服を着たスイス衛兵の横を通り過ぎ
厳重なセキュリティチェックを通った後に
いよいよサン・ピエトロ大聖堂の中に入る.
3/10(土)16:52

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その34
〜システィーナ礼拝堂〜

システィーナ礼拝堂には言わずと知れた「最後の審判」の壁画がある.
青を基調としたベースに
最期の審判を迎えた人々の悲喜こもごもが表現されており
上部はキリストや天使達,左に天国に昇る人々,
右に地獄に堕ちる人々が描かれている.

実はこれと同じ作品を同じ大きさで以前に
徳島の大塚国際美術館で見たことがあった.
(陶板によって再現されたオリジナルのコピーではあるが)
しかし,徳島で見たものは礼拝堂というよりは
あくまで美術館の一施設であり,それほどの迫力は感じなかった.

システィーナ礼拝堂は現在も行事で使われる
「現役の礼拝堂」だけあって思わず畏れを感じ沈黙してしまう
教会の静粛とした雰囲気があった.

絵が素晴らしいことは勿論のことだが
思わず悔い改めたくなるような
一種の神がかった宗教の力を感じた.

礼拝堂の中は静かで,
床には椅子が並べられており
多くの人が座ったままぼーっと絵を見上げて
その迫力に吸い込まれているようだった.
当然,我々も同じように座って絵を眺め吸い込まれていった.

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天井画の『アダムの創造』は私にとって身近な絵である.
小さい頃,実家のリビングに「アダムの創造」の
巨大なジグソーパズルが飾ってあった.

物心ついた頃の私の記憶に
強く印象に残っていた絵のオリジナルを
こうして直に見ていると感慨深いものがあった.
3/10(土)0:31

▼真鍋周平
備忘録 新婚旅行編 その33
古代の石像も,近代の巨大な壁面画も
小さな材料で練習はするだろうが
本番は基本的に失敗がきかない.

こうした一発勝負の中においても発揮される
周到に準備され,考え抜かれた「バランス」と「秩序」.
社会秩序の一端を担っていた
教会のお気に入りであったのかもしれない.

お気に入りといえば
ラファエロの間を出てシスティーナ礼拝堂へ向かう
途中には近代美術のゾーンがある.

ここにもゴッホやシャガールの描いた「ピエタ」や
マティスの描いた聖母子画があったりなど
見応えのある何気にすごい画家のコレクションが
飾られていたりする.

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ここまで来ると古代から近代まで
各時代の天才達の生み出した作品が
バチカンという狭い場所に集まっていることに
驚きを感じる.

500年以上の歴史を持つこの美術館が
設立当初から近代に至るまで長きに渡って
絶大な権力と影響力を保ち続けられた証である.
3/8(木)23:38

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