管理人の独り言
過去ログ153
2012/3/30 23:45
▼真鍋周平備忘録 新婚旅行編 その56印象派とは写実主義から抽象主義に変化する途中であり・・・
とあまり知らない美術史のウンチクを書いても仕方ないので
私なりの考え(ほとんど妄想)を書く.
この時代には芸術家に大きなインパクトを与える二つの発明があった.
一つは「絵具」,もう一つは「写真」である.
「絵具」の作成は画家にとっての重要な技術であり
良い画家=良い絵具職人といった時代が長く続いていた.
そして写真のない時代には,現実のものをリアルに表現する写実主義が重視されていた.
しかし,この時代に絵具がチューブ入りで発売されるようになり
誰でも簡単に好きな色を表現できるようになったことで
これまでの色彩表現の価値観が一変した(と私は思う).
もう一つの「写真」の発明は,
それまでの写実主義の芸術家の価値観を一変させた(と私は思う).
絵をリアルに描いたところで所詮,写真には勝てないので
有りのままの現実を写実的に表現することの価値は薄れたというわけである.
そこで時代的な背景や必要性に迫られ登場したのが
「印象派」の芸術家といったところだろうか.
印象派の絵に写実性に乏しく色彩の鮮やかな作品が多いのも
絵具と写真の発明の影響が大きかったのではないかと思う.
(写実性に乏しいといっても近代美術に比べればよっぽど写実的であるが)
<中略>
>>>>>>
もう一つの影響は産業革命が18世紀から19世紀に起こり
これまでの生活習慣が一変したことも一つ影響したと私は思う.
当時の人々はオートメーションの普及により
これまでの第一次産業,第二次産業から開放され
王政は倒れ自由・平等・友愛の価値観が普及し
生活の豊かさを創造する第三次産業(サービス業)へと
じょじょにシフトしていく時代だった.
そこで生まれたのが衣食住が満たされることによって生まれた
「日常生活への倦怠感」から脱却する非日常感への希求だったのだろう.
そうした時代的背景からも
新しい表現方法による非日常感が求められていたわけで
<中略>
という旅行に関係のない所感を書いても「備忘録」にならないので
美術館で印象に残ったいくつかの作品について感想を書く.
3/30(金)23:45
▼真鍋周平備忘録 新婚旅行編 その55〜オルセー美術館〜
セーヌ川沿いに1.5kmほど歩くとオルセー美術館に到着した.
川の対岸には巨大なルーブル美術館が見える.
近くに地下鉄の駅がないためアクセスが不便である.
オルセー美術館は1900年のパリ万国博覧会開催に合わせて
作られたオルセー駅を改造して建てられた
比較的新しい美術館で印象派の画家の作品が
数多く収蔵されていることで有名である.
所蔵美術品も8万点と非常に多い.
印象派の絵画のことばかり紹介されるが彫刻も
かなりの数が飾られている.
ルーブルが巨大な中世の絵が多いのに対して
オルセーは比較的近代の小さな絵が多く
コレクションがかぶらないように住み分けがされているらしい.
美術館自体は元駅のホームだけあって
頑健な鉄骨構造でできており,
美術館の中央部分が巨大な吹き抜け構造になっているため
入場して全体を見渡すと一見どこに美術品が飾られているのか分からない.
展示品は建物側部の部屋(個室)の中に飾られており
個室ごとにテーマを設定して展示されている.
ミレー,ルノワール,モロー,ゴッホ,セザンヌ,
マネ,ゴーギャン,ドガ,クリムト,スーラ,ロートレック・・・といった
誰でも知っている画家の名画が所狭しと飾られている.
おそらく印象派作品のコレクションは世界一の美術館であると思う.
3/30(金)22:52
▼真鍋周平備忘録 新婚旅行編 その54ノートルダム大聖堂前で昼食を済ませた後は
地下鉄で一駅だけ移動し(今から考えれば無駄な移動に思えるが・・・)
セーヌ川沿いに歩きながらオルセー美術館に向かった.
セーヌ川沿いを散歩するというのは
ある意味ではパリを旅行する観光客の儀式的な行為でもある.
川は連日の雨のせいか濁っており,流れも速かった.
(大陸の川はゆったりと流れているイメージであったが)
川沿いには大きな焼却炉のような箱が並んでおり
なんだろうと思って眺めて歩いていた.
しばらく歩くとこれは露店用の設備であり,
蓋を開けられる宝箱構造で中に商品を置けるように
なっていることが分かった.
丁度,フタが雨除けになっており
雨でも商売ができるというわけである.
しかもフタを閉めて鍵をかければそのまま閉店である.
堤防に固定されているため中のものを盗まれることもない.
便利な設備だなと関心した.
気になったのは町の至るところにゴミ箱が設置されており
町が非常に綺麗であるという点である.
タバコのポイ捨てもほとんど見られず
日本よりも綺麗な印象を受けた.
ただしゴミ箱といっても
鉄製の輪っかにゴミ袋をかけた非常にシンプルなもので
しかもその見た目,色,素材感が
巨大なコ○ドームに見えるという非常に残念なものであった.
誰も反対しなかったのだろうか?
3/29(木)22:35
▼真鍋周平備忘録 新婚旅行編 その53マリー・アントワネットのことについて知っていることといえば
政略結婚の末にフランスに嫁ぎ放埒三昧のかぎりを尽くし,
最終的に庶民の手で処刑されたといったところだろうか.
同じように独房に入って
頭を冷やしたほうがよい人が今の世の中に沢山いるのではなかろうか?
最近,罪の重さに対して刑が軽すぎるのではないかとよく思う.
普段,牢獄だとか刑務所のような場所には縁がないから
あまり考える機会がないのだが
やはり悪いことをした人というのは
それなりの場所でそれなりに反省したほうがよいのではなかろうか.
トイレ一つで何もない独房で
数年反省するくらいのお灸は必要だろう.
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コンシェルジェリを出た後は
地下鉄の駅の方向に戻り,島の対岸側に移動すると
ノートルダム大聖堂がある.
ノートルダム大聖堂は12世紀頃作られた大聖堂であり
外観は巨大なコンセントのような形(?)をしており
聖人やら何やらの細かい彫刻までかなり外装が作りこまれている.
(建築には100年以上の時間を要したらしい)
中に入ると大聖堂の中央に巨大なステンドグラスのバラ窓があり
セントシャペルとは一味違った美しさを感じる.
やはりフランスの教会は内装,外装ともに綺麗に作られている.
パリ二日目の昼ご飯はまだ胃腸の調子が悪く
あまり食欲も無かったのでノートルダム大聖堂近くの
クレープ屋でクレープを買って食べた.
いかにもアルバイトなシェフに
手際悪くクレープを作ってもらい大聖堂前の広場で食べた.
クレープは明らかにブルーベリージャムが塗りすぎであり
さすがに甘くて食べきれなかったので少し残してしまった.
3/29(木)0:01
▼真鍋周平備忘録 新婚旅行編 その522ユーロの記念メダルを購入し
セントシャペルを後にする.
この記念メダルはフランスの観光施設の
至るところに用意されており
スタンプラリー感覚で集めることができる.
他にもオルセー美術館,凱旋門,ノートルダム大聖堂
などで記念メダルを購入した.
セントシャペルを出て最高裁判所の前を横切ると
コンシェルジェリがある.
コンシェルジェリはフランス革命の際に多くの王族,貴族が
収容された人間のほとんどが死刑になった牢獄である.
マリー・アントワネットが収容されたことでも有名になっている.
当初は寄る予定はなかったのだが
ミュージアムパスを使えばタダで入れるということだったので
近くにあるついでに入ってみることにした.
中に入ると元は貴族の宮殿だけあって
牢獄といえども建物にどことなく華やかな雰囲気がある.
また,何かの展覧会をやっていたらしく
人間や動物の骨をモチーフした不気味で
生々しく気味の悪いオブジェが数多く展示されていた.
それをわざわざ監獄でやらなくても・・・と思った.
奥に進むと当時の牢屋を再現したゾーンがあり
マリー・アントワネットがコンコルド広場で処刑されるまで
過ごした牢屋があり,本人を再現した人形も置かれていた.
牢屋以外の場所はあまり監獄といった雰囲気ではなかったが
外の庭に出ると回りは鉄針の返しがついた柵で覆われており
ここが監獄であったことを感じた.
3/28(水)0:41